生まれ出でた者の為に~七本鑓「虎姫」~
「生まれ出でた者の為に」というタイトルは昭和3年に母方の祖父が東京に出て
『百姓』という小説を出版した時のあとがきの題名です。
先日、虎姫町商工会の方が浅井町商工会の方に連れられて
「お話がしたい。」とお店まで来ていただきました。
今、虎姫町商工会で行っているプロジェクト”近江虎姫プロジェクト88”で、冨田酒造さんが醸した
虎姫産日本晴れ100%の無濾過生原酒をお店において欲しいという内容でした。
勿論、試飲させてもらって素晴らしい酸味とのバランスでとても美味しくて二つ返事で是非とも!とお返事いたしました。
このお酒は県内の飲食店では弊店だけに置きたいと言って頂き本当に嬉しい限りです。
何より、地元の特産品に少しでも貢献できることが喜びでもあります。
商工会のHさんが「イメージしていたお店と事物が重なったんです。」と・・・。
有り難いの一言につきます。
そんな嬉しいこともあり、でも毎日はそう簡単に過ごさせてくれない日もあり・・・。
先日ある常連さんと色んなお話になって、私が
「あたしが出会った人は信じたい。信じたい気持ちが疑いを産むこもあるからしんどくて。
でも、あたしは接客という仕事を選んでいる以上、あたしが一度でも素敵だと思った人やことは信じたいの、馬鹿でしょ~。」
と言うと、
「どうかそのまま泥臭い、人間臭い店長でいて欲しい。でないと、来ても面白くないから。」と言うてくれはりました。
その日は、入って未だ8ヶ月のスタッフが
「店長ね、わたしね、荒れた言葉をどれだけ言われてもきっと辛いことがあったんだと思うと、許せちゃうんです。何だか店長がうつってきたみたいです。」
と、とんでも素敵な言葉を言い放ってそそくさと帰ってゆきました(笑)
うちのお客様も姫たちも本当に素晴らしいと感激してしまいました。
出来れば過去は振り返らないほうが良いのかも知れないけれど、一旦生まれてしまったモノや感情は無かったことに出来る方が変な話だと思うのです。
ただ、それを「水に流す」ことは出来てもね。
水に流すというのは完全に忘れ去るのではなく、そこにかつて在ったことを過ぎ去ったことと許してゆくものだと思います。
でも、そこには隠さない感情がなければ水に流すことは出来ないのです。
悲しみや怒りは隠せば隠すほど、大きくなってそこに居座ってしまうからです。
「生まれ出でた者為に」
そうやって泥臭く土臭く、やがて土に還る身のわたしであるのなら、生まれたものに対して情愛をもってゆきたいと思います。
その気持ちがスタッフに伝わって、大切なお客さまを大事にしてくれればと願う毎日です。
たかが飲み屋。
されど飲み屋。
ある時はうなずき、ある時はそんなんじゃ駄目よ言いながらも
その重い荷物を少し軽くして欲しいだけ。
生まれたものは許しあって支えあって生きてゆかねば、せっかく人に生まれて来たのですから。
*「虎姫」は近日入荷いたします。先日入荷した分はその日に完売いたしました。
ご了承くださいませ。
















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